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・時短勤務の給与は労働時間に比例して減少し手取り額は額面の約8割程度が一般的な目安となります。
・2歳未満の子を育てる時短勤務者には賃金の10%に当たる育児時短就業給付金が非課税で支給されます。
・育休復帰後に給与が下がった場合は育児休業等終了時改定を申請することで社会保険料を抑えられます。
・養育期間標準報酬月額特例を申請すれば時短勤務で給与が下がっても将来の年金受給額を維持できます。
育児休業からの復帰を前に、時短勤務を選んだ場合の手取りがいくら残るのかは、保育料や生活費を考えるうえで避けて通れない問題です。
「額面が25%減るのはわかるけれど、実際の手取りはいくらになるのだろう」「給付金でどこまでカバーできるのか知りたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
しかし、税金や社会保険料の仕組みに加えて、2025年4月に始まった育児時短就業給付金の影響もあり、手取りの減り方は額面どおりにはなりません。
本記事では、時短勤務の手取りの計算手順から、手取り13万〜20万円に必要な月給の早見表、給付金や社会保険料の特例で減少を抑える方法まで、わかりやすく解説します。
目次
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1.時短勤務で手取りはいくら減る?
この章では、時短勤務で給与がどのくらい減るのかという基本の考え方と、額面の減少率と手取りの減少率が一致しない理由を整理します。
給与は労働時間に応じて減る
8時間勤務を6時間に短縮すると労働時間は25%減り、基本給もおおむね25%減るのが一般的です。
働かなかった時間分の賃金は支払われないというノーワーク・ノーペイの原則があり、育児・介護休業法の短時間勤務制度(3歳未満の子を育てる労働者が対象で原則6時間勤務)も、給与の補填までは定めていません。
月給24万円なら6時間勤務で18万円が目安です。住宅手当など労働時間と関係ない手当は減額されない会社もあるため、賃金規程で対象を確認しましょう。
手取りと額面の減少幅は異なる
額面が25%減っても、手取りが同じ割合で減るとは限らず、減少幅は時期によっても変わります。給与が下がると所得税や社会保険料も下がるうえ、非課税の育児時短就業給付金を受け取ると手取りの減少幅は額面より小さくなります。
一方で、復帰直後は社会保険料が時短前の給与水準のまま天引きされ、住民税も前年の所得で決まった額が続くため、一時的に額面以上の目減りを感じます。2026年4月分からは子ども・子育て支援金も健康保険料と併せて徴収されます。
2.時短勤務の手取り計算方法
この章では、時短後の額面給与の計算から税金と社会保険料の控除、育児時短就業給付金の上乗せまで、手取り額を出す手順を4つのステップで説明します。
時短後の給与を計算する
時短後の額面給与は「月給×時短後の所定労働時間÷時短前の所定労働時間」で概算できます。月給26万円で8時間勤務を6時間に短縮する場合は、26万円×6÷8で19万5,000円が目安です。
時間単価(月給÷月平均所定労働時間)に実際の労働時間を掛ける会社もあり、結果は賃金規程や欠勤控除の方法で変わります。
役職手当を減額するか、通勤手当や住宅手当を満額支給するかも会社ごとに異なるため、計算前に賃金規程で減額対象を仕分けしておきましょう。
税金と社会保険料を差し引く
額面から社会保険料と税金を差し引いた残りが手取りで、目安は額面の75〜85%程度です。本人負担分は、健康保険料と厚生年金保険料で標準報酬月額の15%前後を占め、これに子ども・子育て支援金、雇用保険料と所得税・住民税が加わります。
額面19万5,000円なら、手取りは15万5,000円前後が一つの目安です。ただし、標準報酬月額の改定が済むまでは時短前の高い保険料が天引きされるため、復帰直後の数か月は目安より少なくなります。
育児時短就業給付を加える
2歳未満の子を養育しながら時短勤務で働く雇用保険の被保険者には、原則として時短中の賃金の10%にあたる育児時短就業給付金が支給されます。給付金は非課税で社会保険料や雇用保険料の対象にもならず、受け取った額がそのまま手取りに上乗せされます。
時短開始時賃金月額の90%以下に低下した場合、時短後の賃金が月19万5,000円なら給付額は1万9,500円で、手取りは17万5,000円前後まで戻る計算です。
計算ツールへ条件を入力する
保険料率や税額は年齢・扶養・加入する健康保険や都道府県で変わるため、細かい条件を反映できる手取りシミュレーションツールが便利です。
ツールには主に次の条件を入力します。
時短後の額面月給(諸手当を含む)
年齢(40歳以上は介護保険料が加算)
扶養親族の人数
多くのツールは育児時短就業給付金に対応していないため、表示された手取りに給付要件に応じた額を足しましょう。時短前の給与明細の保険料額と見比べると、復帰直後とのずれも確認できます。
3.手取り13万〜20万円の月給目安
この章では、手取り13万〜20万円を確保するために必要な額面月給の早見表と、試算の前提条件や表の読み方のポイントを解説します。
早見表の前提と見方
下の表は、手取り額から逆算した額面月給と、8時間勤務を6時間に短縮する場合に必要な時短前月給の目安です。40歳未満・扶養親族なしで賞与と通勤手当を除き、額面の約80%が手取りになる前提で計算しています。
育児時短就業給付金は含めていないため、対象者で時短後の賃金が時短開始時賃金月額の90%以下の場合は、額面賃金の10%相当が手取りに加わります。
ただし、手取りが一律に1割増えるわけではなく、社会保険料の改定前や住民税が高いままの時期は表より少なめになる点も踏まえて読み取ってください。
手取り月収 | 必要な額面月給の目安 | 時短前月給の目安(8時間→6時間) |
|---|---|---|
13万円 | 約16.3万円 | 約21.7万円 |
14万円 | 約17.5万円 | 約23.3万円 |
15万円 | 約18.8万円 | 約25.0万円 |
16万円 | 約20.0万円 | 約26.7万円 |
17万円 | 約21.3万円 | 約28.3万円 |
18万円 | 約22.5万円 | 約30.0万円 |
19万円 | 約23.8万円 | 約31.7万円 |
20万円 | 約25.0万円 | 約33.3万円 |
4.育児時短就業給付の基本
この章では、2025年4月に創設された育児時短就業給付金について、対象者と支給期間、支給額の計算方法、申請の流れを順に確認します。
対象者と支給期間
対象は、2歳未満の子を養育するために週の所定労働時間を短縮して働く雇用保険の被保険者で、パートや契約社員でも要件を満たすと受け取れます。
育児休業給付の対象となった育休から引き続き時短勤務を始めた人か、時短開始前2年間に賃金支払基礎日数11日以上または就業時間80時間以上の完全月が12か月以上ある人が該当します。
支給期間は時短就業の開始月から原則、子が2歳になるまでで、開始日や終了日を含む月も要件を満たした場合は支給対象です。
支給額の計算と不支給条件
支給額は支給対象月の賃金の10%が原則で、月20万円なら2万円を非課税で受け取れます。ただし、時短後の賃金が開始時の賃金月額の90%を超えると支給率は段階的に下がり、賃金と給付金の合計が開始時の賃金を超えない範囲に調整されます。
また、賃金が支給限度額(2026年8月1日〜2027年7月31日は484,121円)以上の月や、算出額が最低限度額以下の月、時短前後で賃金が低下していない月は支給されません。限度額は毎年8月に改定されます。
申請の流れと支給時期
申請は原則、勤務先(事業主)がハローワークで行い、希望する場合は本人でも手続きできます。給付は自動的に振り込まれないため、復帰前に人事・労務担当へ利用したい旨を伝えておきましょう。
初回の受給資格確認と支給申請は、最初の支給対象月の初日から4か月以内が期限で、以降は原則2か月分をまとめて申請します。支給決定後は1週間程度で指定口座に振り込まれます。
2026年8月からは育児時短就業を確認する書類の様式など申請手続きが見直されています。
5.時短勤務の手取りを守る方法
この章では、社会保険料を早く実態に合わせる改定手続きと将来の年金額を守る特例、勤務先ごとの収入条件を確認するポイントを解説します。
育児休業等終了時改定を申請する
育休から復帰して給与が下がったら、育児休業等終了時改定の申出で社会保険料を早めに引き下げられます。復帰後3か月間の報酬の平均をもとに4か月目から標準報酬月額が改定される仕組みで、通常の随時改定と違い1等級の差から対象になります。
手続きは本人の申出に基づき、勤務先が「育児休業等終了時報酬月額変更届」を日本年金機構へ提出します。会社が自動で進めてくれるとは限らないため、復帰のタイミングで申出の意思を伝えるのが確実です。
養育期間標準報酬月額特例を申請する
保険料を下げると将来の厚生年金も減るのではという心配には、養育期間標準報酬月額特例で対応できます。
3歳未満の子を養育する期間に標準報酬月額が養育開始前より下がった場合でも、年金額の計算では従前の高い額で加入したものとみなされ、保険料の負担は下がった実際の額のままです。
申出書は勤務先経由で日本年金機構へ提出し、原則2年前まで遡って適用されます。父母それぞれが要件を満たすと対象になります。
勤務先の収入条件を確認する
同じ6時間勤務でも、手当や賞与の扱い次第で手取りは会社ごとに変わります。
就業規則や賃金規程で、減額される手当と満額支給される手当の区分、賞与を時短割合で按分するかどうか、時間単価の計算方法を確認しておきましょう。
企業によっては、時短中も基本給を維持する独自制度や育児支援手当を設けている場合があります。フルタイムのまま時差出勤やテレワークを使うと給与を減らさない道もあるため、制度を比較してから働き方を決めると収入面の後悔を減らせます。
6.手取り計算の注意点
この章では、住民税と社会保険料の反映のタイムラグ、賞与や欠勤による減収など、手取りの試算が狂いやすいポイントをまとめます。
住民税は前年所得で決まる
住民税は前年1月〜12月の所得に対して翌年6月から課税されるため、時短1年目は減額前の高い所得で計算された税額が続きます。給与は減ったのに住民税は重いままという状態になり、手取りの試算が狂いやすい点です。
時短勤務の所得が反映されるのは翌年6月以降で、そこから月々の負担が軽くなります。なお、育児休業給付金などの非課税の給付は計算に含まれないため、育休期間が長かった年の翌年度は住民税が少なくなるケースもあります。
社会保険料の変更には時間がかかる
社会保険料のもとになる標準報酬月額はすぐには変わらず、育児休業等終了時改定を使っても保険料が下がるのは復帰4か月目からです。それまでの数か月は時短前の給与水準の保険料が引かれ、手取りが数千円から1万円以上減ることがあります。
改定の手続きをしない場合、固定的賃金の変動と原則2等級以上の差が要件の随時改定か、毎年4〜6月の報酬で決まる9月からの定時決定まで高い保険料が続く場合もあります。
復帰直後はこの目減りを見込んでおきましょう。
賞与や欠勤による減収も見込む
月給だけでなく、賞与や突発的な休みによる減収も含め、月単位ではなく年収ベースで手取りを見積もりましょう。賞与は基本給や労働時間に連動する会社が多く、時短割合と同じ25%前後減ることもあり、算定方法は勤務先の規程で確認が必要です。
また、子どもの発熱などで有給休暇を使い切ると、欠勤控除で日割りの減額が生じます。2025年4月から子の看護等休暇は小学校3年生修了まで取得できますが、有給にするかは法律上の義務がなく会社の規程によります。
7.時短勤務に関するよくある質問
この章では、時短勤務の収入に関して質問の多い、配偶者の扶養に入れるかどうかの判断基準を税金と社会保険に分けて説明します。
時短勤務でも扶養に入れる?
税金と社会保険で答えが分かれます。
自分が勤務先の健康保険・厚生年金に加入中は配偶者の社会保険の扶養に入れず、資格を失った場合は、2026年4月以降、労働契約から見込まれる年収が原則130万円未満などの要件で認定されます。
一方、2026年分所得税は12月施行の改正後、給与収入132万円以下が配偶者控除、207万円以下が配偶者特別控除の目安です。時短で年収が下がった年は、配偶者の年末調整で適用を確認すると世帯の手取りを増やせます。
8.まとめ
時短勤務では労働時間に応じて額面が減り、8時間から6時間への短縮なら月給は約25%減、手取りは額面の8割前後が目安です。
ただし、2歳未満の子を育てる方には賃金の10%が非課税で支給される育児時短就業給付金があり、社会保険料の特例を併用すれば、負担を抑えながら将来の年金額も維持できます。
復帰前にまずは就業規則と手当の扱いを確認し、給付金と特例の申請意思を勤務先へ伝えることから始めましょう。
支給限度額など変わりやすい数字は厚生労働省やハローワークの最新情報で確かめたうえで、無理のない家計の計画を立て、納得のいく働き方との両立を実現していきましょう。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。
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